脂肪肝
【概要】
肝臓の細胞に脂肪が沈着した状態(いわゆるフォアグラの状態)
脂肪沈着が進むと肝臓の機能(血液検査のAST/ALT)が悪化
【原因】
多くはアルコールの飲み過ぎ。最近ではアルコール以外の糖尿病、脂質異常症、肥満(メタボリックシンドローム)に伴うものが増加
【疫学】
男性に高頻度に発症、女性では50歳以上で増加
【分類】
アルコールが原因の脂肪肝:アルコール性脂肪肝(ビールならば男性で1日750mL、日本酒なら1合半、ワインはグラス2杯半、ウイスキーではダブルで1杯半以上、女性は2/3の量)
それ以外の原因の脂肪肝:非アルコール性脂肪肝(メタボリックシンドロームに関連)
【症状】
自覚症状なし
【診断】
血液検査や腹部超音波検査などでのチェックが必要
NAFIC score/Fib-4 indexを用いたスコア評価で高い場合は脂肪肝に肝線維化を合併してきている可能性(肝硬変になりつつある状態)あり
肝生検(肝臓から組織を採取する検査)による現状評価が必要
【脂肪肝によるリスク】
脂肪肝による肝障害の持続で肝硬変へ移行する可能性あり
脂肪肝は生活習慣病との関連があるため肝硬変以外にも心筋梗塞・狭心症などの心疾患の発症の可能性あり
【治療】
主に「食事療法」「運動療法」「体重減量」により改善を図る
背景に糖尿病や脂質異常症がある場合は薬物療法を行う